
レパートリーをどのように自分の地域から生み出すことができるか、この問題ですね、この問題がやっぱり地域おこしの関係で大変重要になってくる問題じゃないかというような気がするわけでございます。 先ほども申し上げましたバリ島のガムラン音楽などは世界の神秘と言われているんですね。どんな西洋音楽の和声学をもってしても解明できないような不思議な音階構成を持っていて、それは天から滴ってくる音なのか、地の底から沸き上がってくる知られざる神の声なのか、始まりもなく終わりもなく、人の息吹と同時に始まり、人の息吹と同時に終わるというような感じを持った昔楽でございますけれども、この音楽だって、日中は畑仕事や田んぼ仕事をしている方々が、夜集まって猛烈に練習をして、お祭りに奉納する、そういう芸術なわけですね。つまり、地域創造型なんですね。それがパリに行きますと鑑賞型に変わって、世界最高の神秘の音楽となってしまうわけですね。 私たちは、そういう原郷からの発信というものをこれからどうやって自分の地域でできるか。その発信の拠点として、どういうふうにホールを活用できるのかということなども含めてホールのあり方を考えてみたい、そのように思うわけでございます。といっても、大都会の、先ほど申し上げましたような貸し館中心の、貸し館というものが、地域に、文化団体、芸術団体にとって非常に強く要望されているところにおいては、そういうことなどはできないわけでございますから、それぞれのタイプの、それぞれのホールにおける、それぞれの役割の機能追求ということを前提としながらも、これからのホール活動全体の活性化という意味からすれば、小規模生活圏の拠点としてのホールの重要性、これが大変これからの期待を受けている部分じゃなかろうか、そう思うわけでございます。 次に、「公立文化施設の住民参加創造型自主文化事業におけるアートマネージメントの流れ-演劇タイプの公演の場合-と一応あるわけでこさいますが、これは明日の午前中の「舞台芸術運営論」の中で、また午後の「演習」の中でかなり詳しくお話があるようでございますから、ここのところははしょってまいりたいと思うわけでございます。 全体の流れというものにつきましてちょっと追ってまいりたいと思いますが、しかし、これはあくまでもすべてのホールのアートマネージメントにあてはまるということは言っていないわけでございまして、ある程度象徴的な1つのモデルとしてこういう流れもあるということで、参考までにお聞きいただければ幸いでございます。これだけがアートマネージメントの流れじゃないわけでございます。ただ、一番課題の多い部分でございますから、住民参加創造型自主文化事業における流れをつかめば大体あとは何とかなる、そうい
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